むし歯予防に効果的な「フッ素」について、特に歯科医院で行う「フッ素塗布」について解説します。

歯の健康に関心のある方は、ぜひご覧ください!

 

歯科医院で行う「フッ素塗布」とは?

フッ素塗布は、歯科医院で行われる専門的なむし歯予防処置の一つです。
特徴は、9,000ppmという高濃度のフッ素を歯の表面に直接塗布すること。

この高濃度フッ素は、市販の歯磨き粉などには含まれておらず、安全かつ効果的に処置を行うために、

歯科医師や歯科衛生士といった国家資格を持つ医療従事者のみが取り扱います。

 

フッ素が歯を守る3つの働き

フッ素は、歯に対して主に以下の3つの重要な働きをします。

1、歯の修復を助ける(再石灰化の促進)
食事などで酸にさらされると、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出してしまいます(脱灰)。

フッ素は、この溶け出した成分を歯に戻し、初期のむし歯を修復する働き(再石灰化)を促進します。
(食事のたびに、お口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されています)

2、歯の質を強くする
歯の主成分は「ハイドロキシアパタイト」という物質です。

これは硬いのですが、酸に弱いという弱点があります。

フッ素が作用すると、歯の成分が「フルオロアパタイト」という、より酸に溶けにくい安定した構造に変化します。

これにより、むし歯菌が出す酸に対する抵抗力が高まり、丈夫な歯になります。

 

3、むし歯菌の活動を抑える

フッ素は、むし歯の原因となる細菌の働きを弱め、細菌が酸を作り出すのを抑制する効果もあります。

 

特に子どもにおすすめする理由

「生えたての乳歯」や「生えたての永久歯」は、歯の質がまだ未成熟で柔らかく、酸に対する抵抗力が低いため、

特にむし歯になりやすい時期です。

この時期にフッ素塗布を行うことで、歯質を強化し、効果的にむし歯を予防することができます。

 

フッ素塗布の対象年齢は?

一般的に、乳歯が生え始めてから、最後の永久歯(第二大臼歯、親知らずを除く7番目の歯)が生えそろう14〜15歳頃までが、

フッ素塗布によるむし歯予防効果が特に高い時期とされています。

もちろん、成人してからもフッ素塗布は有効です。

特に、加齢や歯周病で歯茎が下がり、歯の根元(根面)が露出している方は、根元がむし歯(根面カリエス)になりやすいため、

フッ素塗布が予防に役立ちます。

 

ご自宅でのフッ素ケアも重要です

歯科医院での定期的なフッ素塗布に加えて、ご自宅でのフッ素入り歯磨剤の使用は、日々のむし歯予防に非常に効果的です。

現在、日本で市販されている歯磨剤に含まれるフッ素濃度の上限は1450ppmです。

歯磨剤を選ぶ際には、このフッ素濃度も参考にしてみてください。

フッ素でむし歯に負けない強い歯を

歯科医院での高濃度フッ素塗布は、むし歯予防のための効果的な専門ケアです。

特に、歯が未成熟な子どもの時期には大きなメリットがあります。
ご自宅でのフッ素入り歯磨剤によるセルフケアと合わせて、歯科医院での定期的なチェックとフッ素塗布を活用し、

大切な歯をむし歯から守っていきましょう。

 

フッ素について、少しでも理解を深めるお手伝いができたなら嬉しいです😊

その他、ご不明な点や心配なことがありましたら、どうぞお気軽にスタッフまでお尋ねくださいね!