日常生活で突然、歯がしみる経験はありませんか?
冷たいものを食べた時
歯磨きをした時
息を吸い込んだ時
など、身に覚えのある方は多いのではないでしょうか?
今回は、歯がしみる原因と、その治療法について詳しく解説していきます。
歯がしみる原因の一つに、むし歯が考えられます。
むし歯は、歯垢に含まれるむし歯菌が、砂糖をエサにして酸を作ることで発生します。
この酸によって歯の表面のエナメル質が溶け出すことを「脱灰」といい、進行すると歯に穴が開いてしまいます。
むし歯がさらに進行し、歯髄(神経)にまで達すると、痛みを感じやすくなります。
この段階になると、甘いものや冷たいもの、熱いものがしみることがあります。
歯がしみるもう一つの代表的な原因は、知覚過敏です。
知覚過敏には、以下のような原因が考えられます。
歯周病により歯ぐきが下がり、歯の根元が露出することで、外部刺激を受けやすくなる。
歯ブラシで強く磨きすぎることで、歯がすり減り、刺激を感じやすくなる。
歯ぎしりや食いしばりによって歯に負担がかかり、歯にヒビが入ったり、割れてしまうことで知覚過敏を起こす。
知覚過敏かも?まず歯磨き粉を見直そう
ご自宅でできる知覚過敏の対処法として、知覚過敏に効果のある成分が含まれた歯磨き粉を使用することが挙げられます。
歯磨き粉の成分表を確認し、「乳酸アルミニウム」や「硝酸カリウム」が含まれている製品を選ぶようにしましょう。
また、研磨剤が含まれていない歯磨き粉を選ぶことで、歯のすり減りを防ぐ効果も期待できます。
成人の場合、歯磨き粉の1回分の使用量は約2cmを目安とし、歯ブラシの毛全体に塗布するイメージです。
しみる部分だけでなく、歯全体に塗り込むように丁寧にブラッシングしましょう。
ただし、強く磨きすぎると歯がすり減ってしまうため、優しく丁寧に磨くことが大切です。
・食いしばりにはマウスピースが効果的
知覚過敏の原因が歯ぎしりや食いしばりの場合は、就寝時にマウスピースを装着することで、歯への負担を軽減することができます。
通常、上下の歯は2mmほど離れています。
しかし、ストレスを感じると無意識に歯を食いしばってしまうことがあります。
日頃から、歯を食いしばっていないか意識してみましょう。
特に、就寝中は無意識に歯ぎしりや食いしばりをしてしまうことが多いため、注意が必要です。
マウスピースは、歯ぎしりや食いしばりによる歯への負担を軽減し、知覚過敏の予防・改善に効果的です。
歯科医院で作成したマウスピースは、患者さん一人ひとりの歯並びに合わせたオーダーメイドのため、市販品よりもフィット感が高く、効果も期待できます。
歯がしみると、むし歯の心配や食事の楽しみが減ってしまうなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
症状が悪化する前に、早めの対処が大切です。
そのためにも、日頃から定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。
定期検診では、自覚症状がない場合でも、歯のすり減り具合や知覚過敏のリスクなどを確認することができます。
早期発見・早期治療によって、健康な歯を長く保つことができます。