【歯周病治療は早期発見が鍵】放置すると歯を失う原因に
2025.12.25
「歯ぐきが腫れる」「歯みがきで血が出る」「口臭が気になる」——。
これらは、多くの人が経験しながらも見過ごしがちな、歯周病のサインかもしれません。

歯周病は、日本の成人の約8割が罹患していると言われるほど身近な病気です。
しかし、虫歯と違って強い痛みを伴わずに静かに進行するため、「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれます。
そのため、自覚症状が出たときには、すでに歯を支える骨が溶け始めているなど、悪化しているケースが少なくありません。
この記事では、歯周病の正しい知識と治療法、そして予防策を解説します。
ご自身の歯と健康を守るために、ぜひお役立てください。
歯周病とは?静かに進行する病気のメカニズム
歯周病は、歯そのものではなく、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)が、細菌によって破壊されていく病気です。
原因は、歯の表面に付着する「プラーク(歯垢)」です。
プラークは単なる食べカスではなく、無数の細菌が棲みつく塊です。この中の歯周病菌が毒素を出し、歯ぐきに炎症を引き起こします。
これが初期段階の「歯肉炎」です。
この時点では、歯ぐきが腫れたり出血したりしますが、正しい歯磨きや歯科医院でのクリーニングによって健康な状態に戻すことが可能です。
しかし、プラークを放置すると、唾液の成分と結びついて硬い「歯石」に変化します。
歯石の表面はザラザラしているため、さらにプラークが付着しやすくなり、歯ブラシでは除去できません。
炎症が続くと、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)が深くなり、歯周病菌の温床となります。そして、菌の出す毒素が歯を支える骨を溶かし始めます。
これが「歯周炎」です。
骨が溶かされると歯は支えを失い、グラグラになり、最終的には抜け落ちてしまいます。
歯みがきでの出血、歯ぐきの腫れ、口臭、歯が長くなったように見える、歯の揺れといった症状があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。
進行度に応じた歯周病の治療法
歯周病治療の基本は、原因であるプラークと歯石を徹底的に除去することです。
治療は病気の進行度に応じて行われます。
- 基本治療(歯石除去など)
歯周病治療の根幹であり、初期から中等度の症状に対して行われます。
- スケーリング(歯石除去):
「スケーラー」という専用器具で、歯の表面や歯ぐきの浅い部分に付着したプラークや歯石を取り除く、専門的なクリーニングです。
- SRP(スケーリング・ルートプレーニング):
歯周ポケットの奥深く、歯根の表面にこびりついた歯石や汚染された組織を器具で除去し、表面を滑沢に仕上げる処置です。
プラークの再付着を防ぐ目的で行われます。
これらと並行して、日々のセルフケアの質を高めるためのブラッシング指導も行われます。
- 歯周外科治療
基本治療だけでは改善が難しい重度の歯周病に対して行われます。
歯ぐきを切開し、歯根を直接目で確認しながら、深い部分の歯石や感染組織を徹底的に除去する方法です。
できる限り歯を残すことを目指します。 - 定期メンテナンス
歯周病は治療が終わっても、日々のケアを怠ると再発しやすい病気です。
そのため、治療後は3〜4ヶ月に一度の定期的なメンテナンスが不可欠です。
専門家による徹底した歯の清掃や歯周ポケットのチェックを行い、健康な状態を長期的に維持します。
今日からできる予防とセルフケア
歯周病は、日々の正しいケアで十分に予防が可能です。
- ていねいな歯磨き: プラークが溜まりやすい「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境目」を特に意識して磨きましょう。
- デンタルフロス・歯間ブラシの活用: 歯ブラシだけでは届かない歯間のプラーク除去に必須です。毎日の習慣にしましょう。
- 定期的な歯科検診: 自覚症状がなくても、定期的に歯科医院で検診とクリーニングを受けることが早期発見につながります。
- 生活習慣の見直し: 喫煙は歯周病の最大のリスク因子の一つです。
禁煙を心がけ、バランスの取れた食生活を送ることも重要です。
まとめ:早期発見が歯の寿命を決める
歯周病は、気づかぬうちに進行し、大切な歯を奪う可能性がある病気です。しかし、早期に発見し、適切な治療とケアを行えば、十分に進行を食い止められます。
「歯ぐきの腫れが少し気になる」といった小さなサインを決して放置せず、迷わず歯科医院に相談してください。その「早めの一歩」が、10年後、20年後のあなたの歯と健康を守るための、最も効果的な一歩となるのです。





