オーバーブラッシングとは?
2026.01.28
オーバーブラッシングとは?
歯や歯茎を傷つける悪習慣と推奨する正しいケア
「しっかり磨かなきゃ」という意識は素晴らしいことですが、その熱意が裏目に出て、かえって歯や歯茎を傷つけているかもしれません。
歯磨きの際に力を入れすぎたり、回数や時間が過剰になったりして歯や歯茎を傷つけてしまうことを、オーバーブラッシングと呼びます。
近年、オーラルケアへの意識が高まる一方で、この過剰なブラッシングが原因で、多くのお口のトラブルを抱える方が増えています。

ここでは、オーバーブラッシングが歯や歯茎に与える悪影響と、健康を守るための正しいブラッシング方法を解説します。
- オーバーブラッシングによる主なトラブル
過剰なブラッシングは、見た目には気づきにくい慢性的なダメージを口内に与え続けます。
① 歯肉退縮(歯ぐきが下がる)
強すぎるブラッシングは、歯茎を物理的に削り、痩せさせて下げる「歯肉退縮」を引き起こします。歯磨き粉に含まれる強い研磨剤も、慢性的な負担を歯茎に与える原因となります。
歯茎が下がると、歯が長く見えたり、歯の根元が露出したりします。
② 楔状欠損(くさび状のえぐれ)
歯茎が下がって歯の根元(象牙質)が露出した状態で、さらに強いブラッシングを続けると、柔らかい象牙質が少しずつ擦り減り、V字型やくさび形に歯がえぐれてしまう状態を指します。
③ 知覚過敏の悪化
楔状欠損によって歯の根元が露出したり、象牙質がえぐれたりすると、外からの刺激が歯の神経に伝わりやすくなり、冷たいものや甘いものがしみる「知覚過敏」の症状が出るようになります。
オーバーブラッシングは、知覚過敏の直接的な原因の一つです。
④ 磨き傷や歯茎の肥大
歯ブラシの力が強すぎると、歯茎に小さな傷(磨き傷)ができます。また、その刺激から歯茎を守ろうと、歯茎が分厚く膨らんでくる「フェストゥーン」と呼ばれる現象が起こることもあります。
サイズが合っていない歯間ブラシやフロスの無理な使用も傷の原因になります。
⑤ 歯ブラシの毛先が広がる→磨き残しが増える
強すぎるブラッシングは、歯ブラシの毛先がすぐに開き、外側に広がってしまいます。
毛先が開くと、汚れを効果的にかき出す力が失われるため、結果として磨いているつもりでも汚れが残ってしまうという悪循環に陥ります。
- 健康を守るための正しいブラッシング方法
オーバーブラッシングを防ぐためには、「しっかり磨く」よりも「優しく、正確に磨く」ことを意識し、正しいブラッシング方法を身につけることが大切です。
① 歯歯ブラシの持ち方と力加減
・鉛筆を持つように軽く持つ:強く握ってしまうと、無意識に力が入りすぎてしまいます。鉛筆を持つように軽く握ることで、自然と力が抜けます。
・力は優しく、小刻みに:歯ブラシの毛先が曲がるほど力を入れるのは厳禁です。毛先が広がらない程度の優しい力(目安として100〜200g程度)で、毛先を小刻みに動かすようにしましょう。

②歯ブラシ選びのポイント
・硬さは「ふつう」〜「やわらかめ」:歯茎に負担をかけすぎない硬さを選びましょう。
・1ヶ月に1回は交換:毛先が開いた歯ブラシは清掃効果が激減するだけでなく、歯茎を傷つける原因にもなります。毛先が開いていなくても、最低でも1ヶ月に1回は交換しましょう。
- 専門家のサポートを受ける
歯並びや歯茎の状態、癖は人それぞれ異なります。
定期検診の際に、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けるのが最も効果的です。自分の磨き方の癖や磨き残しが多い場所を知り、一人ひとりに合った磨き方を習得しましょう。
オーバーブラッシングは、毎日の習慣だからこそ、歯にも歯茎にも大きなダメージを与え続けます。
「しっかり磨かなきゃ」という熱意を、「やさしく、丁寧に」という意識に変えて、健康な歯と歯茎を守っていきましょう。
気になる症状や正しいケア方法についてご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

