「歯がしみる」のはなぜ?
2026.02.24
「歯がしみる」のはなぜ?
知覚過敏と歯髄炎、痛みの種類でわかる原因と対処法
「冷たいものがキーンと痛む」「歯ブラシが当たるとピリッとする」—この「歯がしみる」という感覚は、多くの方が経験します。
そして、「知覚過敏だから」と自己判断し、市販の歯磨き粉で済ませてしまいがちです。
しかし、その痛みは、緊急性の高い「歯の神経の炎症(歯髄炎)」という深刻なサインかもしれません。
「しみる」という症状は、大きく分けて「知覚過敏」と「歯髄炎」の2つに分類され、治療の緊急度が全く異なります。
あなたの「しみる」がどちらのサインなのか、症状の違いを正しく見極めることが、大切な歯を守る第一歩です。

パターン1:【知覚過敏】軽度な刺激による一時的な痛み
〈痛みのメカニズムと特徴〉
歯の表面は硬いエナメル質で守られていますが、その内側には神経と繋がる象牙質があります。
知覚過敏は、歯ぐきの退縮(下がり)や、エナメル質の摩耗、酸蝕などによってこの象牙質がむき出しになることで発生します。
冷たいものなどの刺激がむき出しになった象牙質を通して神経に伝わり、「キーン」という鋭い痛みとして感じられます。
知覚過敏の主な症状(特徴)は以下の通りです。
- 短時間でおさまる:冷たいものが触れた一瞬だけ鋭く痛むが、すぐに消える。
- 特定の刺激に反応:冷たいもの、甘いもの、歯ブラシなど、刺激があるときのみ痛む。
- ズキズキしない:夜間にうずくような強い痛みはない。
〈主な原因と対策〉
原因:強すぎるブラッシングによる歯ぐきの退縮、歯ぎしり・食いしばりによるエナメル質の摩耗、炭酸飲料などによる酸蝕症、ホワイトニング直後の刺激など。
対策:適切なブラッシング指導、知覚過敏用の歯みがき粉の使用、露出した象牙質への表面コーティングや薬剤塗布など、比較的軽い処置で改善するケースが多いです。
パターン2:【歯髄炎】歯の神経の炎症、虫歯の進行—緊急性の高い痛み
〈痛みのメカニズム〉
虫歯が進行し、歯の内部にある歯髄(しずい=神経と血管の組織)まで達すると、細菌感染により神経が炎症を起こします。
これが歯髄炎です。
硬い歯の壁に囲まれた中で炎症が起こると内圧が高まり、神経は激しく圧迫され、自己修復が難しい不可逆的な状態になります。
歯髄炎の危険なサインは次の通りです。
このような症状がある場合は、すぐに歯科医院へご相談ください。
- 温かいものや熱いものでも痛む:温熱刺激が内圧をさらに高め、激しい痛みを引き起こす。
- ズキズキとうずく痛みが続く:刺激がなくても脈打つように自発痛がある。
- 夜間も眠れないほどの強い痛み:横になると血流が増加し、激痛で目が覚める。
- 何もしていなくても歯が響く・うずく:神経が限界を迎えているサインです。
〈放置のリスクと必要な治療〉
歯髄炎を放置すると、神経は完全に壊死(死んでしまう)します。
一時的に痛みが消えても、それは治ったのではなく、神経が死んで痛みを感じなくなっただけです。
死んだ神経組織は根の先に膿を溜め、最終的に根管治療(歯の根の治療)が必要になります。
神経を失った歯はもろくなり、歯の寿命が大幅に縮むだけでなく、進行度によっては抜歯に至る可能性もあります。
市販薬や歯磨き粉では決して治りません。
早期の歯科受診が、神経を残すカギ
「歯がしみる=知覚過敏」と自己判断して様子を見るのは危険です。
早期に歯科医院で正確な診断を受けることで、神経を残すという最善の治療を選択できる可能性が高まります。
早期受診のメリット
- 知覚過敏の場合:表面の保護や薬剤塗布など、短期間で改善する処置が可能です。
- 初期の歯髄炎の場合:炎症が軽度であれば、特別な薬剤(MTAセメントなど)を用いた治療で、神経を残したまま虫歯だけを治療できるケースがあります。
「歯がしみる」という体からのSOSを軽視しないでください。
早期であれば、神経を残すという最善の治療法を選択できる可能性が高まります。
痛みでお悩みの方は、まずはご連絡ください。



